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「形容詞+です」は間違いなのか?使える言い換え表現もご紹介!

形容詞 です 間違い

「あの花は、白いです」
「向こうにいる女性は、とても美しいです」

みなさんは、上記の文章に違和感を感じますか?

実際のところ、ほとんどの方が違和感を感じないでしょう。

しかし、文章のプロであるライターとして活動するのであれば、あまり好ましくない表現であるということは事実です。

では、何が正解で何が間違いなのでしょうか。

本記事では「形容詞+です」の表現と、言い換えの方法について解説していきます。

前提知識

本記事では、「イ形容詞」と「ナ形容詞」という言葉を用います

  • イ形容詞
    「白い」「美しい」など、終止形が「〜い」で終わる形容詞
  • ナ形容詞
    「綺麗な」「軽やかな」など、終止形が「〜だ」で終わる形容詞

「形容詞+です」表現の議論は、主に「イ形容詞」で行われていることを頭に入れておきましょう!

「形容詞+です」という日本語は間違いなのか

「形容詞+です」は間違いなのか?

結論、「形容詞+です」の表現は間違いではありません。

なぜなら、文化庁も以前「平明で簡素な表現」として認めており、多くの日本人に使われている表現だからです。
※参考:これからの敬語|文化庁

例えば、以下のような文章を読んでも、ほとんどの方が違和感を感じないのではないでしょうか。

具体例

  • あの花は、白いです。
  • 向こうにいる女性は、とても美しいです。

上記のような表現が「平明・簡素な形」として認められていることを前提に、文法的に少し掘り下げてみましょう。

さらに詳しく!!

「白い」「美しい」が形容詞であり、本来は終止形が「白い」「美しい」となります。その理論でいうと、そもそも後ろに「〜だ」「〜です」という助詞がつくこと自体、文法的にはまちがっているのです。

少し掘り下げると、「ナ形容詞」である「素敵な」を例に取ると、終止形は「素敵だ」です。つまり、上記と同様に「〜です」という助詞をつけると、「素敵だです」と間違った日本語になることは明らかになります。

ライティングでは「形容詞+です」を使わない方がベター

「形容詞+です」は、間違いではないと述べましたが、ライティングにおいては使わない方がベターでしょう。

なぜなら、「形容詞+です」の表現は、あくまでも「平明・簡素な形」として認められているまでであり、文章のプロであるライターが使うべき表現とはいえないと考えるためです。

この議論については、クライアントや所属企業の考え方・方針に依るものが大きいと思います。
ただし、文章をしっかりと見る企業(クライアント)であれば、「形容詞+です」の表現を使用することで、ライターとして良い印象を与えることが難しくなるでしょう。

実際、「美しいです」「高いです」「赤いです」などの「形容詞+です」表現は、非常に便利ですが、乱用すると「稚拙な表現」という印象を与えてしまう可能性もあります。

さらに、「形容詞+です」表現は、意外と簡単に正しい表現に言い換えができるケースがほとんどですので、わざわざ文法的に間違っている表現を使う必要はないでしょう。

言い換えに慣れてしまえば、より快適に読める文章を書けるようになります。

では「形容詞+です」の言い換え表現をみていきましょう。

「形容詞+です」の言い換え表現

「ナ形容詞」や「名詞」に繋げる

「イ形容詞」でどうしても伝えたい場合は、主語に関する特徴を「ナ形容詞」で加えて、文法的に整合性のある文章にするとよいでしょう。

具体例

  • あの花は、白いです
    あの花は、白くて綺麗です。
  • 向こうにいる女性は、とても美しいです。
    向こうにいる女性は、とても美しく魅力的です。

これなら正真正銘、文法的に間違いがなく、文章に含まれる意味もふえるため深みが増します。

「形容詞」+「ことです」「ためです」の表現にする

形容詞に「こと」をつけて名詞にしたり、「ため」をつけて理由にしてしまうのも1つの手法です。

具体例

  • あの花は、白いです。
    あの花の魅力は、白いことです。
  • 向こうにいる女性は、とても美しいです。
    向こうにいる女性に魅力を感じたのは、とても美しいためです。

「言い換え」を意識するだけで、文全体が少しレベルアップした印象があります。

何が正解というわけではなく、「どんな表現だと最も読者に伝わりやすいか」についてその都度考えることも重要です。

まとめ

「形容詞+です」の表現について、少し深掘りして考えてみました。

日常生活で使用する分には、文部科学省も認める一般的な表現として全く問題ありません。

しかし、お金をいただいて文章を書く、「文章のプロ」であるライターとしては無視できない表現であることは確かです。

基本的には、「形容詞+です」表現は使わず、常に言い換えができないかを考えてチェックしながらライティングを進めていきましょう。

言い換えを考えることで、語彙力の向上や文章の深みが増すなど、ライティングスキル全体にも良い影響を与えてくれるでしょう。

  • この記事を書いた人

Saki

1996年生まれ。京都市出身。 京都大学を卒業後、SaaSや不動産など様々な業種を経験し、結局文章を書くことが好きだということに落ち着きました。 現在はWebライターとして活動しています。

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